現在当院はコロナウィルス感染対策のため、日時を限って急患対応のみ行っております。
診療日の情報をトップに持ってくるため、公開日時にずれがありますが、最近増えていると実感する、第一大臼歯(六歳臼歯)の萌出異常・異所萌出(本来の場所でないところから出てくる)ケースをご紹介します。
No.15V-286
- 6歳 男子
第一大臼歯異所萌出を改善して、第二段階開始まで様子を見ているケースです。
- ≫治療前
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上顎
下顎
前歯の関係など
右側
正面
左側
あごの発達不足による生える場所不足だったのか、本来6番目に奥の方にはえてこないといけない第一大臼歯が手前側に生えてきてしまいました。そのため、本来小学校4~6年生頃まで残っていないといけない第二乳臼歯(5番目)が抜けてしまって、4番目の第一乳臼歯と第一大臼歯がくっついてしまっています。(黄色〇)
- ≫第一期治療途中、再診断時
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上顎
下顎
前歯の関係など
右側
正面
左側
5番目の永久歯の生える場所が無くなってしまっているので、第一期治療により正しい場所に移動を行い、そこからまたずれてこないように「つっぱり棒」の役目をする装置を入れて、生え代わりを待っています。
- ≫第一期治療終了時
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上顎
下顎
前歯の関係など
右側
正面
左側
生え代わりが進んだところで、スペースを調整して生え代わりがうまくいくように補助していきました。まだ第二大臼歯(7番目)も生えきっておらず、成長も続きますので一旦動的治療(月一回の通院)を終了し、お休み期間に入ります。
一期治療で前歯に少し変色(ホワイトスポット)ができてしまったのは残念ですが、第一大臼歯をあのままにしておいたら、少なくとも2本の小臼歯(4,5番目)が埋まって出てこられないか、著しく外れたところから出てきたと思われます。
高カロリー食などを要因とする歯のサイズの増大と、アゴの未発達によると思われる場所の不足で、このような第一大臼歯がうまく生えてこられない小児が増えていると感じます。第一大臼歯は「咬合の鍵」とも呼ばれる大切な歯です。一昔前は、最初にはえてくるこの歯を「六歳臼歯を虫歯にしない!!」のが歯科医の大命題でしたが、今や「六歳臼歯をちゃんとはやす!」ことから注意が必要です。