さいたま市大宮区桜木町1-7-5ソニックシティビル12Fの矯正歯科専門医院・ファミリア歯科矯正の、院長日本歯科専門医機構認定の矯正歯科専門医 大塚 亮です。
この肩書は、昨年からやっと成立した矯正歯科の専門医制度のものですので、長いですが、名乗ってみました。(笑)
実際は、日本矯正歯科学会の旧・(学会認定の)専門医(前・臨床指導医、現・臨床医)の方が試験の合格基準はずっと厳しいのですが、まずは矯正歯科に国も認めてくれた専門医制度が成立したことを祝いたいと思います。
「矯正歯科専門医」「専門医」と何度も書いた訳は、本日の記事で紹介するケースが、(一般歯科でよく行われている)「床矯正」のあまりに不充分な治療結果を、当院でリカバリーしたケースであることに起因します。なぜか「床矯正」という独立したジャンルとして一般の方・世間に浸透していますが、なんども不十分だったり、場合によっては副作用の方が大きいのではないかと思われる治療結果を見るたびに、矯正歯科専門医として微力ながら警鐘を鳴らしたいと思うのです。
今回の終了症例は、小学生から床矯正治療を行ったけれども、「明らかな」上下顎前突(口元が出ていること)なうえに、左下の第二大臼歯が抜歯されていた、22歳の女性患者さんです。「前歯が出ているのが気になるので治したい」ことを主訴として来院されました。
小学生の時に「床矯正」で拡げて、高校生の時にマルチブラケット装置により小臼歯を抜かずに非抜歯治療を行ったそうです。さらに、左下の第二大臼歯が、「ちゃんと生えてこられなかった」ということで抜歯されていました。
No.20V-624
- 主な症状:
- 上下顎前突
- その他の症状:
- 欠損歯
- 治療にかかった費用:
- 92万円
- ≫治療前
-
口元の突出感が非常に強く、過去の資料を見ると、非常に無理のある拡大・非抜歯治療が行われていると判断せざるを得ませんでした。
左下第二大臼歯(7番)はすでに抜歯されてしまっているので、左下のブロックには6本しか歯がありませんが、あまりに口元の突出感が強いため、やむを得ず左下も小臼歯を抜歯しています。
(抜歯されていた左下の大臼歯部分は、すでに歯槽骨:はぐきを支える骨が吸収されていて、奥歯を後ろに移動するのは無理と判断しました。)
- ≫治療後
-
治療期間は約2.5年、30回強の通院が必要でした。
今となってから、「奥歯が出てこなかったのは床矯正で無理に拡げたせ!」と断言はできませんが、あまり前方部で歯列の拡大をすると、そのしわ寄せで奥歯がはえにくくなってしまうことは、過去に論文でも報告されています。またそれなりの費用に小学生~高校生までの期間をかけて治療をしたのに、二十歳そこそこで結局もう一度小臼歯を抜歯して治療をし直すのは、いかがなものでしょうか?
矯正治療の最大のリスクは、「無理のある非抜歯拡大をすること」といっても過言ではありません。「床矯正」をうけるときには、本当に気をつけてもらいたいです。
安い、速い、うちだけのオリジナル、などと謳った矯正治療の宣伝を、InstgramやYoutubeなどでしょっちゅう目にします。多額の宣伝広告費を費やしているであろう、多数の分院展開している「大手」チェーン歯科医院から、ふつうの一般歯科も出てきます。さいたま市や大宮周辺のクリニックも目にします。動画広告で患者さんを集めるのは結構ですが、抜歯は必要か必要ではないか、どんな装置を使うのか、矯正治療はダメならやり直せばいいや、というものではありません。よくよく話を聞いて選択をしてください。
※歯科矯正治療による歯の移動による主なリスク(副作用)としては、歯根吸収(歯の根の先が短くなること)や歯肉退縮(歯ぐきが下がること)があります。
※歯を移動する力により、痛みや違和感が出る場合があります。矯正装置の刺激で歯肉の炎症や口内炎が生じる場合があります。
※装置の装着により歯磨きがしにくくなる部位がありますので、不充分な歯磨きにより、虫歯や歯の変色・歯肉炎や歯周炎が発生することがあります。
※歯を動かし終わった後に、リテーナーの使用不足や歯ぎしりなどの癖の影響で、後戻りや新たな不正咬合が出現する場合があります。
※その他詳細は「よくある質問」にも記載がありますのでご参照ください。
※治療期間は症例により異なりますが、乳歯の残っているお子さんの治療の場合、第一期治療で12~24か月、経過観察期間後の第二期治療で12~24か月を要することがあります。
※表示されている<治療にかかった費用>は、契約を行った当時の治療費(税抜)です。現在の治療費の詳細については、「料金表」をご参照ください。
無断複製お断りします Familia orthodontics all rights reserved
一つ前のページへ戻る
No.18V-626
- 29歳
- 男性
- 抜歯部位
- 上:
- 8458
- 下:
- 558
- 治療にかかった費用:
- 92万円
- ≫治療前
-
- ≫治療後
-
開始前のレントゲンです。黄色→は埋まっている歯、赤いラインは歯ぐきの表面を表します。
治療後には抜歯した歯を除いて、歯ぐきよりも上に、まっすぐに歯が並んでいるのがわかります。
※歯科矯正治療による歯の移動による主なリスク(副作用)としては、歯根吸収(歯の根の先が短くなること)や歯肉退縮(歯ぐきが下がること)があります。
※歯を移動する力により、痛みや違和感が出る場合があります。矯正装置の刺激で歯肉の炎症や口内炎が生じる場合があります。
※装置の装着により歯磨きがしにくくなる部位がありますので、不充分な歯磨きにより、虫歯や歯の変色・歯肉炎や歯周炎が発生することがあります。
※歯を動かし終わった後に、リテーナーの使用不足や歯ぎしりなどの癖の影響で、後戻りや新たな不正咬合が出現する場合があります。
※その他詳細は「よくある質問」にも記載がありますのでご参照ください。
※治療期間は症例により異なりますが、乳歯の残っているお子さんの治療の場合、第一期治療で12~24か月、経過観察期間後の第二期治療で12~24か月を要することがあります。
※表示されている<治療にかかった費用>は、契約を行った当時の治療費(税抜)です。現在の治療費の詳細については、「料金表」をご参照ください。
無断複製お断りします Familia orthodontics all rights reserved
一つ前のページへ戻る
さいたま市大宮区 ソニックシティ12F 矯正歯科専門のファミリア歯科矯正
院長の矯正歯科専門医の大塚です。
遅ればせながら 本年もよろしくお願いいたします。
新患相談をご希望の方からご連絡を頂戴しておりますが、本日現在で
平日の午前中~早めの時間帯で、3月末以降
平日の夕方以降や土曜日では、4月末~5月以降
となります。予めご了承ください。
治療のクオリティの維持、治療を開始した患者さんが治療予約が取れなくなることの防止
両方の観点から新患相談や新規の検査数は、枠を決めて総数を制限しております。
直前のキャンセルや無断キャンセルについては、再度の予約をお取りしない場合もございますので、ご協力をお願いいたします。
また健康保険適応の顎変形症の検査に関しては、最短で6月以降となります。健康保険適応の治療をご希望の方は、こちらの健康保険適応の矯正治療についても事前にご確認ください。
顎変形症など健康保険適応の矯正治療についてご紹介を受けた場合については、相談料がかかります。健康保険をお使いになれる場合もありますので、保険証をお持ちください。
院長 大塚 亮
さいたま市大宮区 ソニックシティ12F 矯正歯科専門のファミリア歯科矯正 院長の大塚です。
本年の最終診療日は、12月28日(土曜日)の午前中(最終受付12:30~)となります。
来年の診療開始は、1月6日(月曜日)10:00~となります。
何卒よろしくお願い申し上げます。

Merry Xmas ! 今年から登場のパラシュートサンタも、今日までの出番です。
ファミリア歯科矯正 大塚
さいたま市大宮区の矯正歯科専門医、ファミリア歯科矯正の院長 大塚です。
「矯正専門医」と名乗ってみたくてこんな書き出しをしてみました。笑
(なんのことかわからないと思いますので、↓の過去ブログをご参照ください。
一症例、12月の症例一覧よりピックアップします。症例をウェブに掲載する際の厚労省&学会のルールがまたもや追加されたそうなので、本当に必要な情報以外で書かないといけないことが増えて検索結果が見にくく、読みにくくなる一方ですが、僕のせいではないのです。(苦笑)
ウェブ上には「新開発のxxxシステム」だの「特許取得のxxx療法」のようなエビデンスの曖昧な文言が溢れている中、なんでこんな誘因性(患者さん集めを目的としている)の「無い」症例集を、何度も何度も直さないかんねん!なんて、思うのもダメでしょうか・・・・(笑)
受け口と、左上の歯が内側に入ってしまっているのを治したい、ということで来院された、成人女性です。中学生の時に全顎的に治療を他院で行ったことがあるそうです。
- 年齢:
- 27歳
- 性別:
- 女性
- 主な使用装置:
- FEA
- 治療にかかった費用:
- 85万円
- ≫治療前
-
- ≫治療後
-
※治療に移植を組み合わせています。移植歯には、生着しない・骨にくっついてしまう、などのリスクがあります。
※歯科矯正治療による歯の移動による主なリスク(副作用)としては、歯根吸収(歯の根の先が短くなること)や歯肉退縮(歯ぐきが下がること)があります。
※歯を移動する力により、痛みや違和感が出る場合があります。矯正装置の刺激で歯肉の炎症や口内炎が生じる場合があります。
※装置の装着により歯磨きがしにくくなる部位がありますので、不充分な歯磨きにより、虫歯や歯の変色・歯肉炎や歯周炎が発生することがあります。
※歯を動かし終わった後に、リテーナーの使用不足や歯ぎしりなどの癖の影響で、後戻りや新たな不正咬合が出現する場合があります。
※その他詳細は「よくある質問」にも記載がありますのでご参照ください。
※治療期間は症例により異なりますが、乳歯の残っているお子さんの治療の場合、第一期治療で12~24か月、経過観察期間後の第二期治療で12~24か月を要することがあります。
※表示されている<治療にかかった費用>は、契約を行った当時の治療費(税抜)です。現在の治療費の詳細については、「料金表」をご参照ください。
無断複製お断りします Familia orthodontics all rights reserved
さいたま市大宮区 ソニックシティ12F 矯正歯科専門のファミリア歯科矯正 院長の大塚です。
10月29日(火曜)から31日(木曜)まで、第83回 日本矯正科歯科学会に参加するため、休診とさせていただきます。
今回は私と大隈副院長の出身医局である、東京科学大学(東京医科歯科大学)の顎顔面矯正学分野の森山先生が大会長、事務局長を小川先生をされていることもあり、当院はドクターは非常勤ドクターも含めて全員が、スタッフも歯科衛生士6名が参加いたします。
ご予約等でご不便をおかけしますが、日本歯科専門医機構の矯正歯科専門医の資格とも密接に関連する重要な学会ですので、お許しください。
ドクタースタッフとも、それぞれのプログラムで知識のアップデートをしてきます。
さいたま市大宮区 ソニックシティ12F 矯正歯科専門のファミリア歯科矯正 院長の大塚です。
9月13日に、矯正歯科専門医に関わる厚生労働省医政局長通知について(医療広告ガイドラインの改定)というものが発表されまして、日本歯科専門医機構が認定する基本的な診療領域に係る歯科医師の専門性資格として「矯正歯科専門医」が広告可能となりました。
改正の内容
1 日本歯科専門医機構が認定する基本的な診療領域に係る歯科医師の専門性資格として「矯正歯科」「歯科保存」を広告可能とする。
2 施行期日
令和6年9月 13 日
なんのこっちゃ?と思われるかもしれませんが、実はこれまで、国に正式に認められた「矯正歯科専門医」というものは日本に存在せず、「矯正を専門とする歯科医師」であって「矯正歯科専門医」ではない、というよくわからない??状況が何年も続いておりました。
それが「日本歯科専門医機構」という組織が立ち上がり、さまざまな調整を経て矯正歯科の分野の専門医も、この機構より正式に認めてもらえた、という話です。
まだ全国でこの「矯正歯科専門医」を名乗れるのは、全国で201名の第一回試験の合格者のみです。日本矯正歯科学会の(旧)専門医を2011年に取得している私は、これで「矯正歯科専門医」となりました。私が大学院を修了した2000年ころから続いていた混乱?が収まって、やっと形になったことはまずは喜ばしいことです。
新患相談をご希望の方からご連絡を頂戴しておりますが、
本日現在で、
平日の午前中~早めの時間帯で、11月末以降
平日の夕方以降や土曜日ですと、12月末~2025年1月以降
となります。予めご了承ください。
治療のクオリティの維持、治療を開始した患者さんが治療予約が取れなくなることの防止
両方の観点から新患相談や新規の検査数を制限しております。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。
また健康保険適応の顎変形症の検査に関しては、最短で12月以降となります。健康保険適応の治療をご希望の方は、こちらの健康保険適応の矯正治療についてを事前にご確認ください。
2024/8/28 院長 大塚 亮
本日 8/16(金曜日)の診療についてお知らせします。
台風7号の接近につき、通院の患者さんとスタッフの安全を考慮しまして、
14:30~の午後の診療については臨時休診とさせていただきます。
午後の予約の患者さん方に関しては、特にご連絡いただく必要はございません。
ご予約の変更については
当院フォームよりご連絡いただくか、~12:00までもしくは明日以降にお電話いただければ幸いです。
ファミリア歯科矯正
院長 大塚 亮
さいたま市大宮区 ソニックシティ12F 矯正歯科専門のファミリア歯科矯正 院長の大塚です。
ここのところあれこれ忙しく、症例解説をサボってしまっておりました。
非常に強い上顎前突で、上のみ抜歯して前歯を後方に下げるという選択肢も充分ありうる状態でしたが、若年でかつ口唇形態が著しく突出していたので、下の小臼歯も抜歯することにしました。
その分治療の難易度は上がりますが、治療後の変化を見ると、下も後方に下げるこの治療方針でよかったと思います
No.18V-172
- 年齢・性別:
- 16歳・女性
- 治療にかかった費用:
- 78万円
- ≫治療前
-
- ≫治療後
-
矯正治療で抜歯が必要な時、通常「抜く本数は少なければ少ないほど良い」と思いがちです。
しかし、特に審美的な目的で前歯を後方に下げるときなどは、「上下ともしっかり下げる」ために4本抜くのが望ましいことが多いです。
逆に、(本来は下の前歯も後方に下げたいのだが)上が追いつけなくなってしまうので「上しか抜けない」ということがあります。この場合は、下は抜かずに逆に前方に広げることになってしまいます。
ここでどちらの判断をするかが、矯正歯科医の大事な能力のひとつだと考えています。安易に上のみの抜歯をすると、下の排列に無理が出て、後戻りリスクが高まったり、最後方の奥歯が正しい位置に持っていけないリスクが高まります。一方、移動量が多くなると、後述の歯根吸収のリスクは高まる面があります。
※歯科矯正治療による歯の移動による主なリスク(副作用)としては、歯根吸収(歯の根の先が短くなること)や歯肉退縮(歯ぐきが下がること)があります。
※歯を移動する力により、痛みや違和感が出る場合があります。矯正装置の刺激で歯肉の炎症や口内炎が生じる場合があります。
※装置の装着により歯磨きがしにくくなる部位がありますので、不充分な歯磨きにより、虫歯や歯の変色・歯肉炎や歯周炎が発生することがあります。
※歯を動かし終わった後に、リテーナーの使用不足や歯ぎしりなどの癖の影響で、後戻りや新たな不正咬合が出現する場合があります。
※その他詳細は「よくある質問」にも記載がありますのでご参照ください。
※治療期間は症例により異なりますが、乳歯の残っているお子さんの治療の場合、第一期治療で12~24か月、経過観察期間後の第二期治療で12~24か月を要することがあります。
※表示されている<治療にかかった費用>は、契約を行った当時の治療費(税抜)です。現在の治療費の詳細については、「料金表」をご参照ください。