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2020年2月 4日

床矯正のやり直しの男子高校生症例

さいたま市大宮区 ソニックシティ12F 矯正歯科専門のファミリア歯科矯正 院長の大塚です。
今月も症例検索システムに新しい終了ケースを登録したのですが、今日は先月分の、床矯正(患者さんは「歯列育形成」を受けた、とおっしゃっていましたが)のやり直しを当院でおこなった男子高校生症例をお見せしたいと思います。

No.16V-469

16歳
男性

重度の開咬(前歯が咬みあわない)と、叢生(でこぼこ、凹凸、ガタガタ)を有する高校生男子です。

≫治療前

小学生のころ「歯列育形成」治療という「床矯正」装置のような取り外し式装置で治療をしていたらしいのですが、下の奥歯の位置などに床矯正による拡大により、異常が出ていました。
第二大臼歯=十二歳臼歯のはずが、高校生になっても左上は萌出不全(出てこられない)、下は左右とも内側に倒れ込んでいます。さらにその一本手前の第一大臼歯=六歳臼歯はおそらくその「治療」によって過度に拡大されたのでしょう、外側に不自然に膨らんでいます。

  • 上顎上顎
  • 下顎下顎
  • 前歯の関係など前歯の関係など
  • 右側右側
  • 正面正面
  • 左側左側
≫治療後

奥歯が不自然な向き、位置に持っていかれてしまうと、かみ合わせがくずれてこのような開咬になるというのは、(本来あってはいけないはずなのですが)しばしば目にします。
「目標のない」歯列拡大の怖いところです。
当院での治療は、上下左右から小臼歯を一本ずつ抜歯して、マルチブラケット法を用いて治療を行いました。

  • 上顎上顎
  • 下顎下顎
  • 前歯の関係など前歯の関係など
  • 右側右側
  • 正面正面
  • 左側左側

これまではこのようなやり直し症例、矯正歯科専門医を嘆かせる治療といえば「床矯正」「小児期の拡大のしすぎ」が定番でしたが、最近はそこにマウスピース矯正、インビザラインとその模倣品にプレオルソなどの既製品も加わって、ますます混沌としてきています。
「治療」といえる範囲で収まっているのであれば、もちろんどこで誰が何をしてもいいのですが、中には「いったいこれは何をしているのだろう??」というものも決して少なくありません。これから始まる「新・矯正歯科専門医制度」がそんな状況を改善する第一歩になるといいのですが。

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ファミリア歯科矯正
院長・歯学博士 大塚 亮

院長・歯学博士 大塚 亮

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