さいたま市大宮区ソニックシティビル12F ファミリア歯科矯正 院長の大塚です。
今月の終了事例の中に、大学病院の後輩の先生から紹介を受けたとても難しいケースがありました。一般歯科の先生にも助けていただきながら、やっと治療が完了したので、紹介させていただきます。
虫歯、治療後の虫歯により神経が無い歯が多く、また左上の犬歯が埋伏(埋まっている)しています。一本歯が出ていないにも関わらず、上の歯列(歯並び)がとても狭いため強い叢生(でこぼこ、凹凸、ガタガタ)になっている難症例です。
第一大臼歯は、通常矯正治療のために抜歯することはない歯です。しかしこの患者さんの場合、神経がなく虫歯もあるという、状況の悪い第一大臼歯が3本あったので、これを抜歯して、第二大臼歯と親知らずで代用するなど難しいミッションを含んだ治療目標を立てました。
No.10V-166
- 主な症状:
- 叢生
- その他の症状:
- 欠損歯
- 年齢:
- 17歳
- 性別:
- 女性
- ≫治療前
-
上顎
下顎
前歯の関係など
右側
正面
左側
- ≫治療中 ステップ1
-
下の親知らずが出てこられるよう、第一大臼歯の抜歯をしたスペースに向けて第二大臼歯を移動しています。
上顎
下顎
前歯の関係など
右側
正面
左側
- ≫治療後
-
左下は、歯冠(頭の部分)をこれから修復するので、空隙が残してあります。
上顎
下顎
前歯の関係など
右側
正面
左側
このように多数の歯に一般歯科的な問題がある患者さんの矯正治療では、まずは保存可能な歯と抜歯もやむを得ない歯とに分ける判断・治療計画が重要です。そして保存する歯については、すべて歯根(=土台)が直立・整列するように並べていきながら、上下のかみ合わせも整えます。ここまでが矯正治療で先に行っておくべき内容です。
かぶせ物や、必要により虫歯の再発(またはそのおそれ)がある所の再治療はそれから行います。
神経がとってある歯、かぶせ物、虫歯などが多いと、矯正治療の計画も複雑になりやすいです。歯の強い弱い、虫歯になりやすいなりにくいにはもちろん個人差がありますが、お子さんのうちからのお口の中の衛生管理をしていただくことが重要です。