さいたま市大宮区 ソニックシティ12F 矯正歯科専門のファミリア歯科矯正 院長の大塚です。
今月の終了症例一覧から、1ケース詳しくご紹介します。
患者さんは、永久歯の欠損が二本あるので、「下の乳歯が残っている部分を、矯正で何とかしてほしい」ということで来院されました。
No.18V-455
- 主な症状:
- 欠損歯
- その他の症状:
- 叢生
- 年齢:
- 36歳
- 性別:
- 女性
- 治療にかかった費用:
- 88万円
- ≫治療前
-
上顎
下顎
前歯の関係など
右側
正面
左側
診査の結果、患者さんの訴えられていた下の左右5番欠損の他に右上2番目の前歯も欠損していました。さらに、左上の7番は8番(親知らず)にぶつかられて、根が吸収されていました。
- ≫治療後
-
上顎
下顎
前歯の関係など
右側
正面
左側
このため、右上2番と下の第二乳歯を抜歯し、さらに左上の7番目を抜いて親知らずと入れ替えることにしました。マルチブラケット法で2年強、治療を行いました。
左上の第二大臼歯(7番目の奥歯)は、レントゲンとCTから、親知らずにぶつかられて根に吸収(虫歯と同じ状態)になっていました。
↑ 治療前後のレントゲンと抜歯後に確認した写真です。
このようなことが起こるのは、圧倒的に下の親知らずの方が多いのですが、上でも起こることがあります。矯正治療では奥歯の移動もできますので、もしこのようなことが起きていれば、その対処を矯正治療の計画に組み込むことになります。そのため、年単位の矯正治療を行う場合は、治療前の精密検査と丁寧な診断がとても大切になるのです。
前歯の部分矯正だから、マウスピースをすぐに作れるから、と初診で初めて行ったその場で型取り(スキャン)や治療が始まったりする医院があるようですが、当院では(本当に緊急性のある状況を除いて)決してそのようなことはありません。また、「今治療を申し込みするとxx円引きできます」などと初診時に契約を促された、というお話を実際に当院に初診相談に来られた方々から伺うこともあり、呆れるばかりです。
途中で変更が難しいのが矯正治療です。リスクや副作用、他の選択肢も充分検討してから、大事な自分の歯を動かしてもらっていただきたいと思います。
※歯科矯正治療による歯の移動による主なリスク(副作用)としては、歯根吸収(歯の根の先が短くなること)や歯肉退縮(歯ぐきが下がること)があります。
※歯を移動する力により、痛みや違和感が出る場合があります。矯正装置の刺激で歯肉の炎症や口内炎が生じる場合があります。
※装置の装着により歯磨きがしにくくなる部位がありますので、不充分な歯磨きにより、虫歯や歯の変色・歯肉炎や歯周炎が発生することがあります。
※歯を動かし終わった後に、リテーナーの使用不足や歯ぎしりなどの癖の影響で、後戻りや新たな不正咬合が出現する場合があります。