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2020年7月 7日

上顎前突(出っ歯)・開咬(前歯が咬み合わない)・叢生

さいたま市大宮区 ソニックシティ12F 矯正歯科専門のファミリア歯科矯正 院長の大塚です。
今月の終了症例から一ケースピックアップして紹介したいと思います。
小臼歯の抜歯の必要性について、最後に少し解説しております。

No.16V-211

18歳
女性
上顎前突(出っ歯)・開咬(前歯が咬み合わない)・叢生(でこぼこ、凹凸、ガタガタ)のある高校生の患者さんです。
≫治療前
  • 上顎上顎
  • 下顎下顎
  • 前歯の関係など前歯の関係など
  • 右側右側
  • 正面正面
  • 左側左側
特に左上の奥歯のずれが強かったため、こちらを一度後ろに移動して、さらに小臼歯抜歯を併用したマルチブラケット療法を行っています。

≫治療後
  • 上顎上顎
  • 下顎下顎
  • 前歯の関係など前歯の関係など
  • 右側右側
  • 正面正面
  • 左側左側

前歯が後退して上下的にもしっかりと被さり、正常咬合になりました。 費用は90万円、治療期間はおおむね3年が必要でした。

このブログでも何度も触れていますが、歯科治療である以上、少しでも歯の本数を維持することは大切なことです。しかし、全ての(28本の)歯が生えた結果、上顎前突(出っ歯)・開咬(前歯が咬み合わない)・叢生(でこぼこ、凹凸、ガタガタ)が存在している以上、それらの前後的・上下的なずれや、アゴの大きさと歯の大きさのアンバランスを解消するためには、「場所」が必要になってきます。
ですので、このケースでは、合計4本の小臼歯抜歯を行っています。前歯を後退させることができたので、矯正治療後に口元のラインがきれいになっていませんか?
唇が閉じやすくならないと、このようなきれいなS字状のカーブにはなりません。必要な抜歯まで無理に回避すると、歯の本数を助ける代わりに何か無理がかかることがありますので、矯正治療前の診断と治療方針立案は、実際の治療手技と同じかそれ以上に重要です。

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2020年2月 4日

床矯正のやり直しの男子高校生症例

さいたま市大宮区 ソニックシティ12F 矯正歯科専門のファミリア歯科矯正 院長の大塚です。
今月も症例検索システムに新しい終了ケースを登録したのですが、今日は先月分の、床矯正(患者さんは「歯列育形成」を受けた、とおっしゃっていましたが)のやり直しを当院でおこなった男子高校生症例をお見せしたいと思います。

No.16V-469

16歳
男性

重度の開咬(前歯が咬みあわない)と、叢生(でこぼこ、凹凸、ガタガタ)を有する高校生男子です。

≫治療前

小学生のころ「歯列育形成」治療という「床矯正」装置のような取り外し式装置で治療をしていたらしいのですが、下の奥歯の位置などに床矯正による拡大により、異常が出ていました。
第二大臼歯=十二歳臼歯のはずが、高校生になっても左上は萌出不全(出てこられない)、下は左右とも内側に倒れ込んでいます。さらにその一本手前の第一大臼歯=六歳臼歯はおそらくその「治療」によって過度に拡大されたのでしょう、外側に不自然に膨らんでいます。

  • 上顎上顎
  • 下顎下顎
  • 前歯の関係など前歯の関係など
  • 右側右側
  • 正面正面
  • 左側左側
≫治療後

奥歯が不自然な向き、位置に持っていかれてしまうと、かみ合わせがくずれてこのような開咬になるというのは、(本来あってはいけないはずなのですが)しばしば目にします。
「目標のない」歯列拡大の怖いところです。
当院での治療は、上下左右から小臼歯を一本ずつ抜歯して、マルチブラケット法を用いて治療を行いました。

  • 上顎上顎
  • 下顎下顎
  • 前歯の関係など前歯の関係など
  • 右側右側
  • 正面正面
  • 左側左側

これまではこのようなやり直し症例、矯正歯科専門医を嘆かせる治療といえば「床矯正」「小児期の拡大のしすぎ」が定番でしたが、最近はそこにマウスピース矯正、インビザラインとその模倣品にプレオルソなどの既製品も加わって、ますます混沌としてきています。
「治療」といえる範囲で収まっているのであれば、もちろんどこで誰が何をしてもいいのですが、中には「いったいこれは何をしているのだろう??」というものも決して少なくありません。これから始まる「新・矯正歯科専門医制度」がそんな状況を改善する第一歩になるといいのですが。

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2018年9月10日

マウスピースの長期使用でかみ合わなくってしまった患者さんの矯正治療

さいたま市大宮区 ソニックシティ12F 矯正歯科専門のファミリア歯科矯正 院長の大塚です。
今月も、終了症例の中から一例詳細を解説したいと思います。

17歳 男性

「小学生の頃から取り外しのできるマウスピース型矯正装置を使ってきたが、治らない。前歯がかめない。」という訴えで当院に転院されてきました。

≫治療前

前歯にはめる、小型の取り外しのマウスピース型矯正装置を、小学生の頃から5~6年以上使っていたそうです。
前歯がかみ合わない「開咬」
八重歯などの凸凹の「叢生」
どこで咬んでよいかわからない「咬合不安定」
奥歯が出てこられない「萌出不全」
空いている隙間に舌を突っ込んでしまう「舌の悪習癖」と、問題が山積みになっていました。

  • 上顎上顎
  • 下顎下顎
  • 前歯の関係など前歯の関係など
  • 右側右側
  • 正面正面
  • 左側左側
≫治療後

まずはマウスピースの使用を中止していただき、かみ合わせの安定化を図りました。
その後、奥歯がきちんと当たらないのを改善するために、マルチブラケット法による歯の移動を開始しました。
小臼歯を4本抜歯しただけでなく、第二大臼歯も抜歯して、そこに親知らずを入れ替えた部位もあり、患者さんも術者も苦労の多い治療となりました。
かなり長期間マウスピースを使っておられたので、装置に合わせて開咬(前歯が咬み合わない)になって、さらに唇や舌を含めた口まわりの機能がそれに順応してしまっていた(悪いクセがついてしまっていた)ので、舌や唇のそれを取り除くのにも、時間がかかりました。安定した歯の接触を得るにも、このような状況ですと、時間がかかります。

  • 上顎上顎
  • 下顎下顎
  • 前歯の関係など前歯の関係など
  • 右側右側
  • 正面正面
  • 左側左側

金子 和生.jpg←のようなプレートの使用を続けていたそうです。「体や骨が柔らかい」「順応性が高い」お子さんの時期だからこそ、装置が「効いてしまって」このような開咬が出てきたと思われます。
このブログでも何度か取り上げたことのある、いわゆる「床(拡大)矯正(装置)」とは若干違うタイプではありましたが、矯正装置(の形をしたもの)を無秩序に長期間使うことの怖さを感じます。
さすがに小学生から高校生まで通院しているのに、改善が認められないということで転院されてきましたが、もしそのままあと数年やっていたら、いったいどんな状態だったのでしょうか。

●「体や骨が柔らかい」「順応性が高い」お子さんの時期であっても、無理な治療法では無理がある。
●「体や骨が柔らかい」「順応性が高い」お子さんの時期だからこそ誤った方向に順応してしまうと、元に戻すのが大変困難になる。
そんな典型例でした。

「どこでどれだけ歯科矯正学の勉強をすれば、矯正歯科医として確かな力量がある」と客観的に判断できるのか、これはそもそも歯医者の世界にいる私たちでも誰も知らないことですから、ましてや一般の方にわかるはずもないことですが、治療期間や目標が不安になったときは、一度立ち止まることも必要なことを知っていただきたく、今月は本症例を取り上げました。

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2017年4月17日

非抜歯で治療した患者さん 部分矯正ではなく本格的に治療しています

さいたま市大宮区 ソニックシティ12F 矯正歯科専門のファミリア歯科矯正 院長の大塚です。今月の終了事例から、おひとり紹介します。

前歯のでこぼこを治したいということで来院された高校生の患者さんでした。

16歳 女性
≫治療前
  • 上顎上顎
  • 下顎下顎
  • 前歯の関係など前歯の関係など
  • 右側右側
  • 正面正面
  • 左側左側
≫治療後
  • 上顎上顎
  • 下顎下顎
  • 前歯の関係など前歯の関係など
  • 右側右側
  • 正面正面
  • 左側左側

こちらの患者さんは、口元の突出感・でっぱり感がなく、また叢生(でこぼこ、凹凸、ガタガタ)の量も大きくなかったため、小臼歯(4,5番目)を抜歯せずに治療を行いました。
非抜歯で拡大すると、やや咬みあわせが浅くなる=上の前歯が下の前歯を覆って重なっている量が少なくなる ことが多く、この患者さんも正常値の中ではやや浅めです。
この程度のでこぼこだと、部分矯正などでできそうに見えるかもしれませんが、上下のかみ合わせを壊さないためには、でこぼこ分を横や後ろに逃がしてあげることが必要です。このためにはすべての歯にきちんとブラケット(金具)を装着する、本格矯正が必要です。
部分矯正を強く推しているところなどで、でこぼこを単純に部分矯正したせいで、前歯が咬まなくなってしまわないか心配な写真を見かけることがありますが、「ただ並んでいるだけ」でいいのであれば早く安く簡単に終われるのは実は当然です。
歯科医院が多くなってきたからなのか、様々な道具・材料が開発されて簡単に手をつけられるようになってきたからか、本当に「これが矯正治療!?」というものも世にあふれる今日この頃、いろいろと心配になります。

※歯科矯正治療による歯の移動による主なリスク(副作用)としては、歯根吸収(歯の根の先が短くなること)や歯肉退縮(歯ぐきが下がること)があります。
※歯を移動する力により、痛みや違和感が出る場合があります。矯正装置の刺激で歯肉の炎症や口内炎が生じる場合があります。
※装置の装着により歯磨きがしにくくなる部位がありますので、不充分な歯磨きにより、虫歯や歯の変色・歯肉炎や歯周炎が発生することがあります。
※歯を動かし終わった後に、リテーナーの使用不足や歯ぎしりなどの癖の影響で、後戻りや新たな不正咬合が出現する場合があります。
※その他詳細は「よくある質問」にも記載がありますのでご参照ください。
※治療期間は症例により異なりますが、乳歯の残っているお子さんの治療の場合、第一期治療で12~24か月、経過観察期間後の第二期治療で12~24か月を要することがあります。
※治療費の詳細については、「料金表」をご参照ください。

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2015年8月 4日

床矯正で治療した方のやりなおし

さいたま市大宮区 ソニックシティ12F 矯正歯科専門のファミリア歯科矯正 院長の大塚です。最近ブログの更新頻度が少なくてすいません。^^;
今月も、終了事例から一症例詳しく掲載します。アメブロ時代にも何度か「床矯正」について書きましたが、小学生の時に床矯正を行ったものの、大人になってもう一回やりなおした矯正治療の例です。

患者さんは19歳の女性です。
小学生の頃、一般歯科で「床矯正」を受けたことがあるそうです。
当院にいらしたときは、前歯が深くかぶっている咬みあわせの改善、不揃いで左に傾いてる前歯の歯並びの改善、などをご希望でした。

No.11V-338

≫治療前
  • 上顎上顎
  • 下顎下顎
  • 前歯の関係など前歯の関係など
  • 右側右側
  • 正面正面
  • 左側左側

もちろん前回の矯正治療の開始前・終了直後の状態を私は拝見しておりませんので、あまり言い切ってはいけないのですが、上下の不自然な歯列の形態や、大臼歯(奥歯)が外側におきあがってしまったり「ハネ」てしまっているのは、おそらく「床矯正」による拡大が原因と考えます。
もちろん「シュワルツ床」と言う装置が矯正歯科の教科書にも掲載されていて、100年前から取り外し式の拡大装置というものは存在しており、またとても役立つ装置です。ただし、非抜歯にすることを優先するあまり、無理な拡大をしすぎると、かみ合わせが不安定になってしまうことがあるのです。
奥歯(第一大臼歯)の前後的なズレも左右で異なってしまっており、難しい治療でした。

≫治療後
  • 上顎上顎
  • 下顎下顎
  • 前歯の関係など前歯の関係など
  • 右側右側
  • 正面正面
  • 左側左側

治療後です。右側の上下の歯がきれいにたがい違いになっていて、上下の歯の間の不自然な隙間がなくなっているのに注目してください。上下の正中線はずれてしまっていましたが、前歯がきれいに並んだことにより、一致しています。
歯並び全体の形(アーチ)は、これ(治療後)でも、どちらかというと広めのシェイプだと思います。治療前の末広がりな台形のような形は、不自然だと思います。

旧ブログでも何度か書きましたが、「床矯正装置」という装置は大昔から存在して、「取り外しができる」「中に組み込まれたネジを広げることにより、歯並びが拡がる」という仕組み自体は新しくもなんともありません。
それがなぜか「床矯正」もしくは「床矯正」という治療方法のひとつと独立して、「マルチブラケット法」「ワイヤー矯正法」はては「矯正専門医のする矯正治療(法)」とは全く別物であるかのように誤認させる・もしくは歯科医師の方が誤認している可能性もある、のはいったいどういうことか、と憤りすら感じます。
歯を抜かずにできればそれに越したことはありませんが、あまりに若年から拡げたり、あまりにも多く拡げすぎたり、そんなことをすると、どこで咬んでいいかわからなくなってしまうことがあります。
床矯正装置を使うとき、非抜歯の矯正を行うときは、それ相応の注意が必要なのです。

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ファミリア歯科矯正
院長・歯学博士 大塚 亮

院長・歯学博士 大塚 亮

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